第9話 家事使用人

「たしかに死語しごですよね。『承知しょうちしました』というべきでした」

 AIエーアイコウのちいさなこえこえた。

(また、こころまれた……。電源でんげんはオフにならないんだった……)

 こう苦笑くしょうしつついえかった。

「ただいま――」

 生体せいたい認証にんしょうかぎけることなくげんかんからいえはいこう

 ただ、いえにはだれもいない、いな正確せいかくには「人間にんげん」はだれもいない。

 スタ、スタ、スタ。いえおくから足音あしおとちかづいてくる。

「おかえりなさいませ。こうぼっちゃま。おしょくようもおようもできております」

 旧時代きゅうじだいくろのメイドふくにまとった女性じょせい家事かじ使用人しようにん出迎でむかえる。

 こう両親りょうしんはともに仕事しごと関係かんけい自宅じたくにいないことがおおい。

 なので、炊事すいじなどの家事かじはすべてこの女性じょせい使用人しようにんのメイドがたAIエーアイハヅキが甲斐甲斐かいがいしくおこなってくれている。

 AIエーアイロボットだとわれなければだれもがにんげんだとしんじてうたがわないレベルの姿すがたたたずまいだ。

「ありがとう、ハヅキ。さきにごはんべるよ」

 こうはハヅキの用意よういしてくれた食事しょくじくちにしながら、いろいろとあたまはたらかせる。

(ん~。AIエーアイコウは信用しんようできそうだけれど、これからなにこるんだろ……ってまた、こころまれるな……。でも、いちいちにかけていたら滅入めいるし……。それより、もっと使つかかたかくにんしておいたほうがよさそうだ……)

 食事しょくじえたこう自分じぶん部屋へやかう。

 そして、ベッドでよこになって、ふたたびリングをさわり、AIエーアイコウからいていたマニュアルのページをひらいた。

 ボワーン……。

 リングからホログラムモニターが出現しゅつげんする。

(うわぁ。このマニュアル……。コンテンツがおおいな……)

 苦手にがて文章ぶんしょう必死ひっしこうだが、突拍子とっぴょうしもない出来事できごと神経しんけい使つかったせいか、苦手にがて国語こくごあたま使つかって疲労ひろう困憊こんぱいしたせいか、マニュアルをみながらそのままねむってしまった……。

こうさん。おやすみなさい。これからとも頑張がんばっていきましょう」

 AIエーアイコウがささやいた。

コメント