ブーン──。
ふたりの左手人差し指のリングから、ホログラムモニターが映し出される。
「えーっと……メインスキルってところ、私は五月五日生まれの牡牛座だから牛、月の干支が馬で、牛と馬のスキルなんだよね」
「星座と干支か。干支って僕も久愛と同じはずだよね?」
「そうなんだけど、干支は月ごとにも振り分けられているのよね。私、なんかで読んだことあるけど」
「そうなんだ。久愛は、そういうの詳しいな。だから、僕は八月八日生まれの獅子座で、月の干支でみたら鳥なんだ。ひとつ解決した!」
「他にも、サブスキルが属性と色と体の部位で決められてるね。私は、地天属性で、あっ……」
久愛がまた顔を赤らめて少し黙り込む。
久愛のモニターに顔を近づける洸。
「なになに。あ、久愛のサブスキルは……色が白で、体が目と……」
「やだ。読まないでいいよ……」
「尻って、あははは。面白いな。僕は紫と鼻と手のスキルだ!」
洸が茶化しながら言う。
「やめてよ、洸……でも、なんで私はお尻なの……」
真っ赤な顔で洸のマニュアルに目をやる久愛。
「洸は、火炎属性なんだ。それより、紫って洸の好きな色だったよね?」
顔の赤みが少しひいてきた久愛が洸の顔をのぞく。
よく遊んでいた幼い頃を思い出し、洸はそれが当たり前のようでもあり、懐かしいようでもあった。
「まぁ、好きな色は正確には青紫なんだけど。そういえば、久愛が一番好きな色は真珠色だったよね?」
「そうだよ、白も好きだけどね。偶然かな?」
「久愛さん!」
突然AIクウが会話に割って入ってきた。
アジョン化していない状態で話しかけられたから、ちょっぴり焦る久愛。
洸はそれ以上に驚く。
(久愛のAIは、女性の声なんだ)
AIクウは話を続ける。
「久愛さん、属性やスキルにはリング所持者の個性が反映されます」
「「個性?」」
ふたりとも驚いて聞き返す。
「はい。詳しく説明しますと……」
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