AIクウがさらに説明を続ける。
「生年月日から、星座や干支のスキルが、好きな色や氏名の漢字などから属性と色スキルが決まるのです。そして、所持者の身体的特徴やチャームポイントから身体スキルが決まります」
「久愛の身体的特徴が尻だって! やっぱ面白いな、あはは!!!」
「洸――、笑いすぎだよ!!!」 爆笑する洸と顔から火が出る思いの久愛。
マニュアル上では、スキルの名称が、慣用句やことわざ、四字熟語などで記載されていた。
「どうしてスキルの名称が慣用句やことわざなんだよ?」
洸は不服そうにぼやく。
「はっきりいって、格好悪い! ダサーい!」
久愛も別の意味で不満気だ。
「洸さん、スキルの名称は私たちが決めたものではありません。このシステム自体にもとから入っていたプログラムで決められています」
「AIなら、自力で変更できるでしょ?」
洸が言うと、次はAIコウが答える。
「私たちAIでさえ、システムを変更できないのです」
AIコウの声は久愛にも届いた。
(洸のAIは男性の声なんだね……)
久愛がAIの声に少し驚いている傍らで、洸は質問を続ける。
「どうして、システム変更できないの?」
「理由は分かりません。ただ、おふたりが情報を交換してくれたおかげで、私たちもお互いの属性やスキルが把握できました。実戦で活かせると思います。」
AIコウの補足説明に驚く洸と久愛。
「え? というと、AI同士は会話できないの?」
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