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第20話 不意打ち

 こうのアジョンが青紫色あおむらさきいろベースなのにたいして、久愛くうのアジョンは真珠色しんじゅいろベースのドレスだ。

 優雅ゆうがさをかんじさせるブラウスのすそはコートのようにながく、何層なんそうかにかさなったレースのついたスカートは可憐かれんだ。

 ほっそりしたあしにはニーハイのソックスと一体化いったいかしたブーツをいている。すべて真珠色しんじゅいろベースだが、ところどころエメラルドグリーンのラインが入っていた。

 くろやピンクなどお約束やくそくいろ一切いっさいはいっていないところに久愛くう趣向しゅこう反映はんえいされていた。

 かみもパールカラーだが、ひとみこうおな青紫色あおむらさきいろだ。

第20話 不意打ちの挿絵1

久愛くうのアジョン、すごいね」

 正気しょうきもどったこう眼差まなざしにうつ久愛くう姿すがたは、うつくしさをえて女神めがみのような神々こうごうしさをかんじさせた。

「えへへ。かわいいでしょ? こうもかっこいいじゃん!」

「そ、そっかなぁ……」

 バトルモードなので、ふたりともホログラムと精神せいしん同期どうきし、からだねむりにつく。

 眠っている自分の姿を見ながら、アジョン姿の久愛が言う。

「あぁ、本当ほんとうるんだね、わたしたちからだ……」

「だね。久愛くう、はやいとこバトルをはじめよう」

 こうがバトルトレーニングモードを選択せんたくしようとした、まさにそのときだった……。

<<ブワーン>> 

 チューバでかなでるようなおもふと低音ていおんひびく──。

 あたり一面いちめん土煙つちけむりめた。

 土煙つちけむり狭間はざまからホログラムのひかりがのびてひかりまくる。

 それがかべのようにひろがり公園こうえんおおうやいなや、空中くうちゅうにフィールドがあらわれた。

第20話 不意打ちの挿絵2  

 そして、得体えたいのしれない、ぶたのような、いのししのような巨大きょだいなアジョンがあらわれる──。

 ふたりが設定せっていするまえにバトルフィールドが設定せっていされたのだ。

 ふたりのまえあらわれたのは通常つうじょういのししぶたすうばいはあるおおきさのけものだった。

 体色たいしょくふか緑色みどりいろをしている。

「ブヒン、ブヒン!!!」

 養豚場ようとんじょう喧嘩けんかしているぶたこえのような甲高かんだか音声おんせいひびく。

(なんだ? この巨大きょだい動物どうぶつは? ブタか? ゾウみのおおきさだよな?)

(え? これ、訓練用くんれんようのアジョン……だよね……? 目がかわいいし……)

 ふたりとも、まだ状況じょうきょうめていなかった……。

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