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第22話 馬耳東風

「ま、マジか。おそれていたシチュエーションだ。ぶっつけ本番ほんばんじゃないか」

 第22話 馬耳東風の挿絵1

「このかわいいけものさん、てきだったんだ……『嗅覚スメール』……」

 さきほどまでの余裕よゆううそのように動揺どうようかくせないふたり。

こうさん、パイアといえば農作物のうさくもつ被害ひがいあたえるだけでなく人間にんげんころすこともあるといわれるおそろしい幻獣げんじゅうです。スキルを使つかってたたかいましょう!」

久愛くうさん、『嗅覚スメール』はおおきさからして攻撃力こうげきりょくたかそうですから、こうさんをサポートしてあげてください。こわがっているひまはありませんよ!」

 AIエーアイコウとクウがそれぞれ助言じょげんする。

「「たおさないと洗脳せんのうされてしまいますよ!!!」」

 AIエーアイコウとクウがまた同時どうじさけぶ!!!

「ま、マジか。わかった。いくぞー」

 洗脳せんのうされてしまうという言葉ことば奮起ふんきさせられるこう

 第22話 馬耳東風の挿絵2

「えーっと、わたしのスキルは……、バ、バジトウフウ――」

 あわてる久愛くうさきにスキルをとなえる。

 眼前がんぜんの『嗅覚スメール』にたいして、久愛くう右手みぎてける。

 みぎてのひらから、パールいろひかりたい放射ほうしゃ線状せんじょうひろがって、ひかりのこしてえる。

 ひかり円周えんしゅうから中心ちゅうしんかって、何重なんじゅうものひかりが魔方陣を描きながらうすまくをはっていった──。  

第22話 馬耳東風の挿絵3

 久愛くうのスキル『馬耳東風バジトウフウ』によって、おおきな円形えんけいたてしょうじたのだ。

 久愛くうはもちろん、こうまえにまでおよぶそのしろひかりたては、ふたりをガードするかのようにキラキラひかりつづけている。

「バトル未経験みけいけんのおまえらにそんなスキルはぶた真珠しんじゅだブヒン! このスキル一発いっぱつたおしてやるブヒン! くらえー!『クサイモノニブタ』――!」

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