「テヘ。なんてね。すみません、またもやプチドッキリです」
AIコウの声色が戻る。
「話が長くなったので、ひとまずトリセツについてはこのあたりでやめておきますね」
アジョンのAIコウが親指でグッドのジェスチャーをしてニッと微笑んで言う。
洸は多少いらだちを覚えたが、それ以上に心を読まれていることに驚いた。
なんとか作り笑いをしながら、親指でグッドのジェスチャーをして答える。
「サ、サンキュー……」
「洸さん、これからは私と運命共同体です。一緒にこの街を守りましょう! 何かご不明な点があれば質疑応答形式でいきましょう」
「うん、わかった。そもそも、なんでお前は街を守る気になったの? お前はAIだから関係ないだろ?」
「そんなこと、説明するまでもないでしょう? AIはもともと人間のために発明された人工知能なんですから、人間がいなくなると存在意義がなくなります」
「それもそうだ。でも、それなら、なおさら、本来、人類を支配するAIなんて現れるはずがないよね? 悪意のある人間が意図的に作らないかぎり……」
「いや、それが本当に分からないのです。AIが人為的な原因で暴走したのか、他の原因で暴走したのか。操っている人間がいるのかどうかさえ……」
「……そか……謎ばかりなんだね……まだ聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「なんでも聞いてください。私と洸さんは、もう一蓮托生の関係です。疑問には何でもお答えしますから」
「どうして子どもの僕を選んだの? 大人の方が街を守れる可能性が上がるだろ?」
「それには明確な回答が可能です。はじめは大人の戦士もいたのです。ですが、今はもう……」
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