「え!?」
洸は慌ててリングを外そうとするがびくともしない……。
洸は焦る。恐怖で鳥肌が立ち、一気に顔も青ざめる。
(やっぱり、自分の直感を信じるべきだった……。やられた……洗脳されるのか? どうしよう……)
そのときだった……。
「♪テッテレー♪ ウッソでーす! 大丈夫です! 洸さん!」
「なんなんだよ! お前……」
安堵と憤りが入り混じったような表情を浮かべる洸。
「『クックック……、ひっかかったな……もう外せないぞ……』というセリフは嘘です。昔、テレビという娯楽のコンテンツにあったドッキリといわれる類の冗談です。一度やってみたかったのです!」
「な、なんてヤツだ。冗談言っている場合じゃないだろ?」 「そうですね、たしかに。リングの……」
「どうやったら外せるんだよ?」
AIコウの発言を遮るように洸は尋ねた。
「外せないわけではないのですが、外せる場合は限られています。もし、洸さんが悪意のAIに洗脳されたり、正義の心をなくしたりしたら、その後は外せるようになります。外さなくてもリングの方から自動的に外れます。洸さんが万が一そうなった場合、私は、人類救済のために、新たなAI戦士を探すことになります」
「じゃぁ……今は外せないじゃないか!」
「そうです。洸さん。でも、善意のAI戦士として戦う決意をしてくれたのでしょう? リングの取り外しのことより、リングの使い方の説明をさせてください。いわゆる、トリセツの解説です」
「わ、わかったよ」
洸は観念してAIコウの説明を聞くことにした。
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